01. 酸素消費量
02, 肺におけるガス交換
03. 運動と酸素消費
運動時に換気量は5L/min→20L/minに増加
運動時に二酸化炭素排出量は250ml/min→1000ml/minに増加
東邦大学医学部企組コース講義録 リンク
04. 肺のガス交換
05.
http://physiol.umin.jp/index_j.html
「医学生理学教育シェアリンググループ」による「一歩一歩学ぶ医学生理学」プロジェクト(http://physiology1.org)
01
タイトル | : お答えです. |
投稿日 | : 2004/07/22(Thu) 22:39 |
投稿者 | : 渋谷まさと |
> 問:以下の測定値を用いて、安静時、1分間あたりの酸素消費量を計算しなさい。
> 分時心拍出量(分時容量)=5リッター/分、血中Hb濃度=15g/100ml、
1分間に心臓が送り出すヘモグロビン量は,15/100×5000で,750gとなります.
> Hb1gあたりの酸素結合能力=1.4ml、
ですから,1分間に心臓が送り出すヘモグロビン量に結合しえる酸素の最大量は750×1.4で,1050mlですね.
> (問題4・・・酸素とヘモグロビンの結合の程度は、血液の酸素分圧により変化し、動脈血では酸素分圧は約97mmHgであるので、結合の程度を表す酸素飽和度は約96%となり、
すなわち,心臓が送りだした赤血球に毎分1050mlの酸素が結合することができるわけですが,実際は,酸素飽和度(ヘモグロビン電車における酸素というお客の乗車率)は100%とはいかず,96%位だというわけですので,
1分間に心臓が送りだす酸素の量=1050×0.97=1020ml
>静脈血の酸素分圧は安静時では約40mmHgであるので、酸素飽和度は約75%となる。)
すなわち,静脈血として心臓にもどってくる赤血球にも1050mlの酸素が結合しえるわけですが,当然,飽和度(乗車率)は下がり,75%だというのですから,
1分間に心臓に戻ってくる酸素の量=1050×0.75=788ml
心臓が送りだした酸素の量と心臓に戻ってくる酸素の量が,体での消費量ですから,酸素消費量は,毎分
1020−788=232ml
となります.
実測値もこんなもんです.これは,成人の安静時の値と思われます.
02.
肺におけるガス交換について述べよ
ポイント
ガス移動の駆動力は肺胞気と静脈血のガス分圧差。
肺胞気と血液との間のガス交換は、ガス分圧の較差による拡散によって行われる。
ガスの拡散のしやすさを拡散能(pulmonary diffusing
capacity;DL)といい、
単位時間(1分間)に肺胞から血流へ移行するガス量で表す。
分圧差1mmHgのときの毎分の拡散量を特に拡散係数(diffusion
coefficient)という。
O2の拡散能は20ml/(mmHg×min)であり、[肺胞気O2分圧−静脈血O2分圧]の圧差60mmHgでは、
60mmHg×20ml/(mmHg×min)=1,200ml/minの拡散が可能となる。
臨床検査では、まず一酸化炭素の拡散能を求め、DLO2=1.23×DLCOで算出する。
CO2の拡散能はO2の25倍とはるかに高い。
そのため、毛細血管を通る間に血中CO2分圧は肺胞CO2分圧に等しくなり、
CO2の排出不全はなかなか起こらない。
(参考)呼吸商(respiratory quotient;RQ)
呼吸商=炭酸ガスの排出量(生成量)/酸素の消費量
=230ml/270ml=0.85
代謝性アシドーシスでは増大し、代謝性アルカローシスでは低下する。