●ホームステイ

ホームステイの家は、一見どこだかわからないところにあった。

こんな感じの街角。手前は大通り。





▲ このビルの、左端のところが通路になっていて・・・



▲ そこを通り抜けて・・・



何件目かのところだった。絶対外からじゃわからない。
ちなみに前にいるのがラージ。両手にさげているのが途中で買ったフルーツやまもりと、水。

●ホームステイにて

 ホームステイというより、民宿、というほうがぴったりくる感じ。最初から家にゲスト用の部屋を作って風呂やトイレを備えていた。
 でも、インドの人と一つ屋根の下に生活した感じは、ホテル住まいでは得られない体験だった。最初はぶっきらぼうな感じのホストファミリーだったが、家内がこの家のお母さんを「アンマー」(お母さん)と呼びかけてから心を開いてくれて、笑い顔も見せてくれるようになったのがうれしかった。あんまは英語は話すが日本語はわからない。
 日本人は愛想笑いという習慣があるが、ふつうのインド人は愛想笑いしないみたい。
 家内がサリーの着方を教わっているときに、家内がセルロイドのバングル(キラキラした腕輪)をしてたら、アンマがそれを見て俄然興味を示して「それ、どこで買ったの?ステキ! その光っているのは金? いくらだった?」などと、好奇心むき出しにして家内に問いつめていた。「インドな日々」というマンガにも似たようなシーンがあるが、ほんと、それと同じだった。家内は「シンガポールで買ったセルロイド製の安いやつよ」と答えたところ、「金は持ってないの?」とすかさず突っ込まれた。家内は「インドでは結婚したら金を買ってくれるのに、私にはなにも買ってくれないの」と答えた物だから、アンマは「それはいけないわ。」私に向かって、「是非金のバングルを買ってあげなさい。やっぱり金がいいわよ。インドにはいい金細工がいっぱいあるから。」と目を輝かせてつめよってきました。それにしても金(gold)に対するインドの人の熱意は聞いていたが、これほどとは・・・ インドの女性はGoldを前にすると性格変わるわ。そういえば赤ん坊にも金の装飾をするお国柄だものね。
 ちなみに、家内は2枚パンジャビを持っていたのだが、着るたびに、「どこで買ったの?」「いくらだった?」などと必ず聞かれていた。インドでは「どこで買ったの?」「いくらだった?」は、大阪人の「もうかりまっか?」と同じくらいポピュラーな挨拶らしい。

 1日目の夕食ではアンマが、 2日目の夕食では娘のシンディーちゃんが一緒に夕食について、少しお話をした。この2人は流ちょうな英語をあやつってた。
 3日目の夕食では息子(高校1年)が一緒に食卓に付いた。まだ英語が上手じゃなくて(といっても私より上手だが)発音がすこしくぐもっていて聞き難い。コンピュータエンジニアが夢だそうで、さすがIT大国インド。ダイニングにはパソコンが1セットおいてあり、windowsXPが動いていた。インターネット接続はISDNで少し遅い。あと接続分だけお金がかかるだろうから、つないでいるとハラハラした。あぁ貧乏しょうな私。
 私がサンデープログラマーというと俄然興味を持ったようで、「プログラム言語がいっぱいあって覚えきれない」、などと、ノリノリで話を振ってきたので、しばらくパソコン談義をしてきた。なんでもインドではパソコンには税金がかかって、他の国で買うよりも3割くらい高いみたい。でもまぁ3割くらいなら許容範囲かな。日本でPCが安すぎるのさ。たとえば1980年代には日本でもアメリカで買うより2倍くらいPCの値段がしたのさ。
 高校生らしく、ゲームとインターネットに興味があるみたいで、食後にパソコン教えて、といいつつバイクゲームを引っ張り出してきた。言われるままに遊んでいたら、左で同時にチューニングの操作をしてくれて、どんどんスピードが上がって自爆。自爆ついでにPCもフリーズしてしまって、再起動。でもこの年からパソコンを自由にさわれるのはうらやましい。
 パソコン百科事典のエンカルタも好きみたいで、元素記号の周期表を見て一生懸命覚えていたのがかわいかった。日本語だと早覚えがあるんだけど、これはインド人には無理だな。あきらめて頭から覚えておくれ。

 ホームステイでの食事は、アンマがベジタリアンだったので、肉や魚は一切なかった。料理は豆カレー(ダールカレー、ヒヨコマメやレンズマメなど)か、野菜カレーで、主食がチャパティとインディカ米の炊き込みご飯。朝食では昨日のカレーをホットサンドにして出してくれた。飲み物はチャイかコーヒーを出してくれた。

 私らの口にはとても合ったので、ついつい食べ過ぎ。特にチャパティはパンのように膨れていない分密度が濃くて、たとえて言えばパンを圧縮したようなものだから(味は全然違うけど)、ちょっと食べても腹持ちがものすごく良い。
 で、バクバク食べていたら、だんだん下腹部だけがぷっくり膨れてきた。夫婦ともどもハンパじゃない膨らみようで、「短期間でこんなに太るかぁ?!」と思うほど膨れた。3日目あたりには食後に腹が張って痛くなるようになって、その後2人ともブー、ブー、ブーと、おならの競演状態。そしてお腹はペッタンコになりました。 その後もおならが出続け、まぁニオイはないからいいんだけど、チャパティあなどりがたし。

 アンマにはチャイとチャパティの作り方を教わった。
 チャイは、水1:ミルク1で一煮立ちさせて、適量の紅茶を入れて、もう一煮立ちさせてできあがり。って、かなりグラグラ煮ていたような・・・
 チャパティは小麦粉で作った発酵させないパン。小麦粉に塩と水をでこねて、チャパティ台で「のばし棒」で丸くのばして、縁のないフライパンで両面をさっと焼いて、最後に直火であぶるとぷっくりふくらんでできあがりというもの。それこそあっというまにできあがる。手際がよすぎて写真を撮る間もなかったのでちょっとだけ。
 




 ついでにキッチンは使いやすくシンプルだった。上の写真のように、食器はすべて金属で、数種類の丸い皿で、平皿と深皿数種類が整然と並んでいる。みんなピカピカ。この棚の左には、(写ってないけど)大きな棚一面に、たくさんの香辛料が並んでいた。さすがインドのキッチン!

 チャパティが気に入ったので、チャパティ道具を土産に買ってきました。

 左が香辛料を砕く器で、右が水差し。注ぎ口がないのに意外と使いやすい。手前は蓋付きの器。インドではサランラップを使わないで、こういう器にいれて保存していた。



チャパティを広げるための台とのばし棒。



 このチャパティ台はなんと大理石。店で選ぶときに、木と大理石のものがあったのだが、木は700ルピー、大理石は1000ルピーと言われて、迷わず大理石を選択。それしか違わないのかいっ。インドでは大理石が安いぜ。木の台もしっかりしたものだったが、それにしても値段差すくなすぎ。


 別のところで買った、ティーセット。やはりインドでは金属製が似合う。



ただ、ステンレスじゃないんで、雑に扱うとさびるんだよねー。家は湿気が多いんで、さびないようにするのが大変。


 ホームステイでのおへや。

 この家では1Fがホストファミリーの居室で、2F、3Fがゲストルームになっていて、広い部屋だった。





 廊下に冷蔵庫がおいてあって、濾過された水がペットボトルにいれて冷やしておいてくれていて自由に飲むことができた。水道水は、すこしなめてみたら藻のようなにおいがしたので、わかして飲むのもヤバそうだった。
 壁は分厚くかった。(窓の部分)


 また廊下に空気を逃がすための吹き抜けが作ってあった。



 おどろいたのが、部屋から廊下にむけて窓型エアコンが備えてあったこと。外に向けないのね。



家の主人は旅行会社で日本人向けガイドをしていたこともあり、日本人をメインにしているのだろう。
壁にはあやしい浮世絵が飾ってあった。



困ったのがこれ。壁のスイッチ。どれがどれだか書いていない。日本だと壁のスイッチはせいぜい3連までで、こんなにたくさんスイッチが並んでいるのはオフィスや工場に限られるが、ここではあたりまえ。逆に言うと一個一個ON/OFFできるのでエコロジーではある。上の大きいつまみは天井のファンの速度調整。強にするとブンブンいって怖いくらい回る。右下は電源コンセント。BとCとアース付きが使えるように穴がたくさんある。5相電源ではありません。



お風呂だよ。バスルーム。トイレ付き。
トイレはインド式ではなく洋式。でもインド式に手桶もあった。






お風呂はバケツがおいてあるインド式。




回すと結構涼しいシーリングファン。ただマックスで回すと、落ちてきそうなほど激しくブンブンガタガタ回ってくれて怖かった。